3Dを入口に、暗黙知と形式知を“つなげて回す”。現場の困りごとは、技術がないことではなく、知識が“つながらないこと。ベテランの勘とコツ(暗黙知)、点検記録や手順書(形式知)、写真、チャット、報告書。これらがバラバラだと、教育も保全も「探す時間」と「伝言ゲーム」が増えてしまいます。XRLiteは、設備の3Dモデル/3Dスキャン上に、関連情報へのリンクと注釈を重ね、SECIモデル(共同化→表出化→連結化→内面化)を、現場で“回る形”にします。
SECIモデルは、組織の知識創造(暗黙知⇄形式知)を説明する標準的フレームワークであり、野中郁次郎氏が提唱し、竹内弘高氏とともに体系化したものとして広く引用され、組織の知識が増えていく基本の回転です[1][2]。
暗黙知:ベテランの勘、コツ、現場の判断基準(言葉にしづらい知識)
形式知:手順書、点検表、写真、報告書など(共有・検索できる知識)
この2つが行き来して、現場の力は育ちます。
以下、SECIの4つを、XRLiteでどう現場実装するかを説明します。
OJTで「何の話をしているか」を揃え、暗黙知をそのまま共有
従来のOJTは、言葉や身振りだけだと「どの設備のどの箇所」「どの状態」を指しているかがズレやすく、教える側・学ぶ側の両方に無駄が出ます。XRLiteでは、現場に行かなくても設備の3D(CAD/3Dスキャン)を共通の参照画面として使えるため、同じ対象を見ながら会話できます。
勘・コツ・経験・知識を“記録して再利用できる形”に変える
ベテランの判断基準が口頭や経験の中に留まると、内容が人に依存し、伝達が「その人の教え方」や「受け手の解釈」に左右されて属人化が進みます。気づきやTipsをテキスト+写真でQast/Teamsに記録し、表現(項目・言い回し・判断観点)を揃えていくことで、「この音は危険」「ここが緩みやすい」「この順番が安全」といった判断を標準化し、次の作業者でも同じ基準で再現できるナレッジ化にします。
散らばった形式知を組み合わせ、必要情報を“迷わず辿れる形”に整える
点検記録、資料、過去事例、タスクがアプリごとに分断されると、現場では「探す時間」が増え、結局参照されなくなります。XRLiteEditorでTeams/Qast/i-Reporter/XC-Gate/Asana等のリンクを3D部位に紐付けて埋め込むことで、XRLiteの3Dをハブにして情報アクセスの導線(参照手順)を統一でき、アプリ横断の煩わしさを減らせます。
形式知を現場で使いながら身につけ、判断が身体化していく
資料や記録が存在しても、現場で開くのが遅い・面倒だと参照が途切れ、理解や習熟につながりません。現場でQR起動→3Dで部位特定→i-Reporter/XC-Gateを即起動して状態確認・記録まで一気通貫にすることで、参照→判断→実施が途切れず定着が進みます。対応が必要な場合は、Asanaで「次に何をするか(作業内容)/誰がやるか(担当)/いつやるか(期限・点検周期)」をタスク管理し、Teamsで関係者へ共有・連絡(エスカレーション)まで連動できます。
SECIは理論として正しくても、現場で回らなければ意味がありません。XRLiteは、3Dを起点にして
共同化:同じものを見る
表出化:短く残す
連結化:3Dに集約する
内面化:現場で即使う
という循環を作り、現場知を“組織の力”に変えていきます。
XRLiteは、既存の点検アプリや情報共有ツールを置き換えるのではなく、3Dを入口にして導線を整える発想です。「どの設備で、どの情報が散らばっているか」から整理して、最小構成でPoCをご提案します。